2012年3月31日土曜日

分画された血液白血球からのRNAの抽出のための方法および試薬


【課題】全血からRNA、およびいくつかの場合ではDNAを抽出する方法、ならびに、核酸を利用する方法の提供。
【解決手段】WBC(white blood cell:白血球)を濃縮し、かつ部分的に精製する、独自の白血球除去フィルターを用い全血からのWBCの迅速な分画する、および分画された細胞中のRNAパターンを安定化する。分画された細胞からRNAを抽出し、および、RT-PCRを含む様々な分子生物学的手法発現プロファイリングを含む任意の様々な分子生物学的な手法でこのような核酸を使用する。


コーカサス山脈はどこに位置しています

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本発明は、血液から白血球(white blood cell)(「WBC」または「白血球」(leukocyte)とも呼ばれる)を分画するための、分画された細胞中のRNA分子の安定性を高めるための、および分画された細胞からRNAを抽出するための方法に関する。本発明はさらに、発現プロファイリングおよびRT-PCRのような技術を用いる、mRNA発現パターンを含む、mRNAの解析に関する。本発明はさらに、マイクロ-RNA(「miRNA」)、siRNAなどを含む、低分子RNA(small RNA)の解析に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
血液は、かなりの量のRNAが回収され得る、もっとも利用しやすいヒト組織である。実質的な量を病的影響を伴わず取り除くことができ、かつ急速に再生するため、それはまた、もっとも消費できるものである。血液はまた、循環系の設計が血液細胞が本質的に身体の全ての部分の組織と密接に接触することを確実にしているため、広範囲に広まった事象を報告する特有の能力も有する。これは、循環白血球が、感染、癌、炎症、ならびに遺伝的および代謝性疾患により、影響を受けた遠位の組織の監視のための監視細胞(sentinel cell)としての役割を果たす可能性を有することを意味する(Whitney et al., 2002; Alcorta et al., 2002)。例えば最近の報告は、ラットモデル系において、虚血性脳卒中および発作を含む、中枢神経系病理と相互に関係がある、密度勾配分画されたリンパ球におけるmRNAパターンの変化を記載する(Tang et al., 2001)。
【0003】
診断、予後、および治療結果の相互に関係がある、mRNA発現の全体的な変化を同定するための高密度マイクロアレイの将来性が、現在、理解されている。発現プロファイリングアッセイにより、炎症性および転移性疾患、毒性および感染性作用物質への曝露、ならびに電離性放射線に関連する、mRNAパターンにおける差異が同定されている。一度、マイクロアレイ解析が、重要なmRNA変化を同定すれば、定量RT-PCRのような、より単純、より安価、かつより感度が高いアッセイが、臨床目的にために開発される可能性がある。mRNA発現プロファイリングの発見段階および臨床実施の両方を容易にするため、臨床試料中、特にヒト血液中のRNAを迅速に安定化する方法が必要とされる。
【0004】
しかしながら、下記に考察するように、mRNA発現プロファイリングのための組織源として血液を利用するためにいくつかの技術課題が存在する。
【0005】
血液からのRNAの単離における課題
最初の課題の1つは、血液中で活発に新陳代謝している細胞(すなわち、mRNAを含んでいる細胞)の濃度が低いことである。血液中のmRNAの濃度は、それにより比較的低くなる。重量および容量で血液の50%未満が細胞から成っており(血液の>50%は非細胞の血漿)、細胞分画の〜0.1から0.2%のみが白血球からなり、残りは主に、概してmRNAを発現しない成熟赤血球(red blood cell)(「RBC」または「赤血球(erythrocyte)」)である。大部分(>99%)は成熟赤血球で、感知できるほどのmRNAを含まないが、高い濃度のヘムを持っている。ヘムは、逆転写およびPCRを含む酵素反応の強力な阻害因子である。細胞のRNAの抽出のための事実上全てのプロトコルは、数倍量の抽出試薬(通常、3-10倍量)中での組織の破壊を必要とするので、源組織として分画されていない全血の使用は、試料のさらなる希釈をもたらし、RNA回収を複雑にする。例えば、通常の手法(Choczymski/Sacchi, Trizol)を用いる10 mlの全血の処理は、100 ml(10倍量)の溶解液の添加を必要とする。結果として生じる試料量は、有機抽出および固相抽出プロトコルでの使用のためには実用的ではない。
【0006】
もう1つの課題は、血液が、無傷のmRNAの回収を困難にする、高い濃度の細胞内および細胞外リボヌクレアーゼ(Moenner et al., 1997)を含むことである。
【0007】
全血での発現プロファイリングの重大な複雑さの要因は、高いレベルのαおよびβグロビンのmRNAを含有する、多数(白血球の数と比べて)の未成熟RBC(「網状赤血球」)の存在である。RNAが全血から抽出され、マイクロアレイ発現プロファイリングアッセイで使用のために増幅される時、グロビンmRNAの産物が増幅された材料において優位を占め、劇的に減ぜられた感度をもたらす(Affymetrix Technical Notes,「Blood RNA Isolation Methods for GeneChip Expression Analysis」 ;「An Analysis of Blood Processing Methods to Prepare Samples for GeneChip Expression Profiling」)。このグロビンmRNAの混入は、マイクロアレイプロファイリングのためのインプットとしてのRNAの使用を危うくする。
【0008】
全血からWBCを分画するための方法
実際上の理由から、上記に記載のように、全血は、RNA抽出または免疫選択の前に、有核細胞(すなわち、WBC)を濃縮するために、しばしば分画される。血漿および赤血球の除去は、血液から多くのヌクレアーゼおよび阻害因子を排除し、少なくとも10倍まで試料の量を減じ、より大きな試験管の代わりに微量遠心管(<2 ml)中でRNA抽出が実施されることを可能にする。また、白血球サブセットの免疫選択のための多くのプロトコルは、全血よりはむしろ分画された白血球に実施される場合、より効果的かつ費用効果が高い。
【0009】
密度勾配遠心分離は、全血を分画するおそらくもっとも一般的な方法であり、血液試料(数ミリリットル)を希釈し、その後(Ficoll-Hypaqueとして市販されている)粘性多糖ポリマー上に層状に重ね、そしてリンパ球(B細胞およびT細胞)および他の単核細胞(単核白血球および白血病性芽球を含む)がポリマー内にバンドを形成する一方で、赤血球および顆粒球がポリマーの下へ沈降させるような条件下で〜30分間遠心分離を行う(Theophilus, 1998)。バンドを吸引により回収し、試料をリンパ球が再ペレット状になるよう希釈し、その後細胞をPBSで洗浄し、遠心分離によって再び収集し、そしてその後RNA単離のために直接用いるかまたはRNA抽出前に細胞培養することにより増大させる。高品質RNAは、この方法で処理された血液細胞から概ね回収され得るが、手法は時間がかかりかつ多大な労力を要し、そして必要とされる多数の操作が、RNA抽出および解析の前に、mRNAプロファイルにおける重大な変化をもたらす可能性がある。今までに、全血と密度勾配を経て分画されたリンパ球の間のmRNA発現における変化を記載した研究はたった1つしか存在しない(Hartel et al., 2001)。そのグループは、フィコール分画されたリンパ球において、いくつかのサイトカインmRNA(IL-4、IL-2、TNF-α)の増加を見出した。
【0010】
フィコール分離の変化形は、ポリマーゲルを含むチューブの中に血液を直接吸引することを可能にする、市販されているデバイス(「CPTチューブ」, BD)である。遠心分離後、血漿およびリンパ球をデカントし、残りの細胞をチューブの側面から洗浄し、細胞を希釈および再ペレット化し、その後RNA単離前に、通常組織培養する。これらの操作の間発現プロファイルを安定化するための試薬はCPTチューブ中に含まれない。
【0011】
その後のRNA抽出のために白血球を分画するためのもう1つの方法は、数倍量の塩化アンモニウム溶液または他のRBC溶解試薬でRBCを選択的に溶解し、遠心分離により白血球を回収することである(Duvigneau et al., 2003)。この手法は、試料量の不都合な増加を必要とし、試料を発現プロファイルを変化させる可能性がある極めて非生理的な状態を供し、そして回収されるRNAの低い収率および質をもたらす。白血球を分画するためのもう1つの方法は、血漿と濃縮赤血球の界面で「白血球層」(すなわち、WBC)を分離するために、抗凝固処理された全血を低速(〜2,000×g)で〜15分間遠心分離することである。白血球層は、血漿を取り除いた後、吸引により収集され得る。この方法の長所は、前記方法よりも、おそらく生理的状態により近い状態下で白血球が分画されることである。しかしながら、白血球層の収集は依然として、mRNA発現パターンを変化させる可能性がある遠心分離および他の操作を必要とする時間のかかる方法である。また、これは、面倒 かつ多大な労力を要し、そして 血液に運ばれる病原菌に医療従事者がさらされる危険性を帯びる。さらに、白血球を含む白血球層分画には、RBCおよび網状赤血球が高度に混入しており、したがってグロビンmRNAもまた混入している。
【0012】
Pall社は、ドナー免疫細胞を除去するための輸血治療で用いられ、その結果被移植者における移植対宿主疾患の問題を減ずる、白血球除去マトリックスを製造する。文献で2つの報告が、血液バンク副生成物から白血球除去フィルターに捕捉された白血球の回復を記載する(Weitkamp and Crowe, 2001; Ebner etal., 2001)。細胞のサブセット(樹状細胞またはB細胞)は、その後密度勾配分画および抗体により被覆された電磁ビーズを用いて選択され、そして回収された細胞は生存可能な細胞株を確立するために用いられた。しかしながら、このようなフィルターは、初代WBCからのRNAの回収という状況で明らかに用いられてはいない。
【0013】
全血からRNAを抽出するための方法
全血または分画された白血球からRNAを抽出するための大多数の方法は、グアニジンチオシアネート中での試料の最初の溶解を含む。例えば、このような方法の1つは、シリカマトリックス上での固相抽出を含み、そこでは血液試料をグアニジン溶液中で溶解し、細胞溶解物をエタノールと混合し、かつRNAを結合するシリカフィルターにかける。他の方法は、陽イオン界面活性剤中で(Macfarlane and Dahle, 1997)、または塩化リチウム/尿素溶液中での全血の溶解に基づいている。血液からRNAを単離するための市販の製品は、Ambion RiboPure-Bloodキット(Ambion)およびPAXgeneシステム(PreAnalytix)を含む。血液からRNAを単離するための上記方法の全ての限界は、RBCおよび網状赤血球を含む、全ての細胞が第1段階で溶解されることである。これは、グロビンmRNAの白血球RNAへの混入をもたらし、白血球サブセットのその後の分画を排除する可能性がある。このような混入を減ずる方法は有益である。
【0014】
発現プロファイリングのためのRNAの必要条件
マイクロアレイ解析およびRT-PCRで使用のためのRNAの必要条件は、ノーザンブロットおよびヌクレアーゼ保護アッセイのような、従来用いられているRNA解析方法のためのものより、いくらか異なっている。もっとも重要な差異は、試料RNAのプローブにハイブリダイズする能力だけによるというよりむしろ、現行の方法はRNAが逆転写のための効果的な基質としての役割を果たすことを必要とするということである。逆転写は、蛍光ラベルまたは他の検出可能な部位を取り込むため(マイクロアレイ解析のため)、または耐熱性DNAポリメラーゼによるその後の増幅のためのcDNA鋳型を生ずるため(RT-PCRのため)に、試料RNAをcDNAに変換する。試料RNAのための重要な必要条件は、酵素的反応を阻害する混入物を含んではいけないということである。血 液からのRNA抽出の場合、RNAが逆転写およびDNAポリメラーゼの周知の阻害因子であるヘムで汚染されていないことが重要である。発現試験のために必要とされるRNAの量の点からみると、マイクロアレイ解析は、〜2から20 μgの範囲の比較的多くの量を、従来必要としている。しかしながら、新しい傾向は、総RNAの極めてより少ない量を使用する。これは、インプットRNAの量を酵素的に増加する直線的な増幅戦略を用いることにより、かつ/またはシグナル増幅をもたらすより感度の良い検出方法を用いることにより可能とされる。これらの技術的前進は、数個の細胞のみを用いるマイクロアレイ試験を実施することを可能としている(Xiang et al., 2003)。これらの考察は、非培養初期白血球サブクラスに対するマイクロアレイ解析が可能であることを示唆する。
【0015】
血液の発現プロファイリング
循環末梢血細胞における遺伝子発現の特徴的なパターンの決定が非侵襲性診断で広く有用であることを証明する可能性があることが、提案されている(Staudt and Brown, 2000)。試料として血液を用いて行われている多くのマイクロアレイ試験は、しばしばRNA抽出前に組織培養で増幅される、密度勾配分画された末梢血単核細胞(PBMC)を用いている。密度勾配遠心分離を経てのPBMCの分画は、しかしながら、血液に運ばれる病原菌に従事者がさらされ(それは開口管において行われるので)る高い危険性を帯び、かつ調製あたり血液のたった数ミリリットルだけしか用いられることが許容されない、多大な労力を要しかつ時間のかかる方法である。密度勾配分画および回収された細胞を培養することに対するさらに重大な欠点は、必要とされる操作が、mRNA発現プロファイリングアッセイの解釈を危ういものにすると考えられる、内因性mRNAレベルの変化をもたらす可能性があることである。もう1つの欠点は、密� ��勾配分画は全血から(骨髄細胞系列の)成熟WBCの主要なサブセットを回収できないということである。
【0016】
診断、予後、および治療効果に相互に関係がある、循環WBCにおけるmRNAパターンを発見するために、内因性遺伝子発現の相対的なレベルを正確に反映できるように、RNA抽出前に細胞中のmRNAパターンを凍結することは重要である。下記のように、多数の報告が、安定化されていない血液試料におけるmRNAレベルの変化を記録している。
【0017】
試料採取および取り扱い中に生ずる血液細胞におけるmRNAレベルの任意の変化は、診断目的のための特定のmRNAの変化の定量的な検出を妨げる。文献において、未処理エクスビボ血液におけるmRNAの変化の多くの報告がある。例えば、血液収集のために用いられるチューブのプラスチック壁への単核白血球の接着は、前炎症性サイトカインのmRNAの誘導を引き起こす(Haskill et al., 1988)。有意な増加が、Ficoll密度勾配分離および他の血液収集パラメーターと関連する、IL-2、IL-4および腫瘍壊死因子アルファを含むいくつかのサイトカインのmRNA発現において、報告された(Hartel et al., 2001)。試料採取と処理の間の1時間より長い時間のずれが、ブタ血液系において試験された全てのサイトカインではないが、いくつかにおいて変化を引き起こすことが報告された(Duvigneau et al., 2003)。エクスビボ保管後、ヒト全血においていくつかのサイトカインmRNAのレベルの増加もまた、報告された(Pahl and Brune, 2002)。リアルタイムRT-PCRアッセイに基づいて、Stordeur et al. (2002)は、インターフェロンγmRNAがエクスビボ血液において約1時間の半減期で急速に分解されることを証明した。おそらく、エクスビボで保存中の未処理全血のmRNA変化を扱うもっとも広範囲な研究は、Rainen et al.

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(2002)による最近の報告である。このグループは、標準EDTA抗凝固処理されたVacutainerチューブ中かまたはPAXgene血液RNA単離システム(上記)で用いられる陽イオン界面活性剤溶液中いずれかで、室温で増大する期間保存された単一のドナーからの全血から単離されたRNAにおける、25のmRNA(サイトカイン、転写因子、アポトーシス関連遺伝子、腫瘍抑制因子などを含む)のレベルを比較した。mRNAレベルは、qRT-PCRにより決定され、18SリボソームRNAのレベルとの比較で表される。その後、それぞれのエクスビボでの時点(4時間、8時間、24時間、3日、および5日)で2つの方法を用いて単離されたRNAからのmRNAレベルを、血液収集後すぐにEDTA血液試料から単離されたRNAで見られるレベルと比較した。変化は両方の状態で観察されたが、mRNA変化の程度は、P AXgeneシステムで安定化された血液と比較して、EDTA血液からのものがより大きかった。興味深いことに、いくつかのmRNA(例えば、インターロイキン8、c-jun腫瘍遺伝子)の相対的なレベルは、EDTAチューブで経時的に増加することが観察され、一方で他のmRNA(例えば、カスパーゼ1、熱ショックタンパク質70)は減少が見られた。全体的にみて、相対的なmRNAレベルの増加は、おそらく、EDTA抗凝固処理された血液において経時的な減少として生じ、増加はPAXgeneシステムでの減少より頻繁に観察された。
【0018】
全ての上記の報告は、mRNAレベルの遺伝子特異的変化が比較的短い時間尺度の間にエクスビボで安定化されていない血液で生じることを例示する。このような変化は、疾患および予後に関連するmRNA発現パターンの発見を危うくする。
【0019】
上記の理由および他の理由から、臨床アッセイで使用のために血液からmRNAの抽出を容易にするために、全血からWBC集団を速やかに分画するための、かつ分画された白血球におけるmRNA発現プロファイルを安定化するための方法への必要性が存在する。
【発明の概要】
【0020】
本発明は概して、独自の白血球除去フィルターを用いて全血からWBCを迅速に分画するための、かつ続いて起こる、分画された細胞におけるRNAパターンを安定化するための方法に関する。発明はさらに、分画された細胞からRNA、およびいくつかの場合ではDNAを抽出する方法、ならびに、例えば発現プロファイリングおよびRT-PCRを含む様々な分子生物学的手法の任意のものでこれら核酸を利用する方法に関する。
【0021】
発明のいくつかの好ましい態様は、白血球除去マトリックスを用いて全血から白血球を分画する段階、および分画された白血球を溶解してRNAを含む溶解物を得る段階を含む、RNAを含む白血球溶解物を得る方法を含む。いくつかの態様において、白血球は溶解された時点でマトリックス上に含まれ、すなわち溶解することが必要とされる前にマトリックスから白血球を溶出する段階または取り除く段階は存在しない。しかしながら、溶解前に除去マトリックスから白血球を洗い流すことを可能とする、発明の態様は確かに存在する。
【0022】
いくつかの態様において、マトリックスを含む白血球は、白血球の溶解前にある期間保存される。例えば、この保存は数分、数時間、数日、数週間、または数年の可能性がある。本発明のいくつかの態様において、保存前の、マトリックスを含む白血球のRNA保存溶液での処理が用いられている。
【0023】
当業者に公知の他の溶解の方法が用いられる可能性があるが、分画された白血球の溶解は白血球溶解溶液でしばしば成し遂げられる。このような溶解溶液は、界面活性剤、例えば、Triton X-100、Tween-20、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、サルコシル(sarcosyl)、デオキシコール酸などをしばしば含む。溶解溶液はまた、カオトロピック剤、例えば、グアニジンチオシアネートのようなグアニジン塩も含む可能性もある。溶解溶液は、例えばプロテイナーゼKが含まれる可能性がある、プロテアーゼを追加的に含む可能性がある。本明細書の目的のために、「プロテアーゼ」および「プロテイナーゼ」という用語は互換的に用いられる。溶解溶液はまた、以下に記載されているようなリボヌクレアーゼ阻害因子も含む: (i)「Nuclease Inhibitors for Use In Biological Applications」と題するLatham et al.による2004年2月25日提出の米国仮出願、および(ii)1999年9月24日提出の米国仮出願第60/155,874号の恩典を主張する、現在米国特許第6,664,379である2000年9月25日提出の出願第09/669,301号の継続出願である、2003年9月30日提出の同時係属中の米国出願第10,675,860号の一部係属出願である、「Improved Nuclease Inhibitor Cocktail」と題する Latham et al.
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による2004年2月25日提出の米国非仮出願である。前記出願および特許のそれぞれの全文は、但し書きなしに参照により本明細書に明確に組み入れられる。
【0024】
いくつかの好ましい態様は、溶解物からRNAを抽出する段階を含む。多くの場合、この抽出は有機抽出によって実施される。いくつかの好ましい態様において、有機抽出は、フェノール/クロロフォルム抽出である。これらの方法はまた、溶解物からDNAを単離する段階を含む可能性もある。当然ながら、RNAと一緒にまたは単独いずれかで溶解物からDNAを単離するという状況において、当業者は、本明細書において教示される、RNA単離だけが所望であるプロトコルにおいてDNA混入を減ずるための手法を用いる事を通常希望しない。好ましい態様は、溶解前に、白血球に浸透しかつ保存組成物で処理されていない細胞中のRNAと比較してRNAの安定性を増大させる塩を含むRNA保存組成物で、分画された白血球を処理する段階を含む。このようなRNA保存� ��体は、米国特許第6,204,375号および同第6,528,641号で保護されている、Ambion製品RNAlater(登録商標)であり、それらの全体の内容が参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの好ましい方法において、塩は硫酸塩であり、例えば限定されるわけではないが硫酸アンモニウムである。いくつかの態様において、保存組成物中の最終塩濃度は、10 g/100 mlから飽和濃度の間、20 g/100 mlから塩の飽和濃度の間、および/または30 g/100 mlから80 g/100 mlの間である。RNA保存組成物は、少なくとも2、3、4、またはそれ以上の塩を含む可能性がある。いくつかの好ましい態様において、分画された白血球は、白血球除去マトリックス上に含まれ、このマトリックスがRNA保存組成物と接触する。これらの態様は、その後、有機抽出で分画された白血球からRNAを抽出する段階を含む可能性がある。この点における長所は、抽出されたRNAは、RNA保存媒体で処理されなかった分画された白血球から抽出されたRNAよりも、DNA混入が少ない事である。例えば、この様式で95%、90%、85%、80%、75%、70%、60%、50%、40%、30%、および/もしくは25%、またはより少ないDNA混入を達成することでき、これら任意の数値の間の百分率減少の範囲を含むがこれに限定されるわけではない。
【0025】
いくつかの特定の態様において、発明は以下を含む:白血球除去マトリックスでの捕捉による血液から白血球を分画する段階、分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階、有機溶液で溶解物を抽出して有機相および水相を形成させる段階、有機相をマトリックス中に吸収した後に有機相および水相を分離する段階、および水相からRNAを単離する段階。
【0026】
その他のより特定の態様において、発明のいくつかの方法は以下を含む:白血球除去マトリックスでの捕捉による血液から白血球を分画する段階、白血球に浸透しRNAの安定性を増大させる塩を含むRNA保存組成物で分画された白血球を処理する段階、分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階、有機溶液で溶解物を抽出して有機相および水相を形成させる段階、有機相と水相を分離する段階、および水相からRNAを単離する段階。
【0027】
他の態様は以下を含む:白血球除去マトリックスでの捕捉による血液から白血球を分画する段階、白血球に浸透しRNAの安定性を増大させる塩を含むRNA保存組成物で分画された白血球を処理する段階、分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階、および溶解物からRNAを単離する段階。
【0028】
発明のさらなる態様において、分画された白血球は、白血球の溶解前に、赤血球および網状赤血球を混入しているレベルを減ずるためのこのような方法で処理され得る。網状赤血球はαグロビンおよびβグロビンをコードするmRNAの高濃度を含むので、RBCの減ぜられた混入は、本発明のいくつかの利用において特別の利益と成り得る。したがって、白血球調製物からの網状赤血球の除去は、結果として生じる白血球RNA調製物中に混入するαおよびβグロビンmRNAの量を減ずる。分画された白血球が、残留網状赤血球および赤血球を溶出するための溶液で洗浄される可能性があることが、企図されている。残留網状赤血球および赤血球を溶出するために有用である可能性のある試薬は、本願明細書において「RBC溶出緩衝剤」として言及し、リン酸� ��衝整理食塩水(PBS)のような生理食塩水、および蒸留水のような低イオン強度溶液を含むがこれに限定されるわけではない。網状赤血球混入が、分画された白血球を網状赤血球ならびに赤血球を効果的に溶解することが当業者により公知であるRBC溶解溶液で処理することにより、減ぜられる可能性があることが企図される。例えばこのようなRBC溶解溶液は、限定されるわけではないが、水、塩化アンモニウム溶液または塩化アンモニウム/重炭酸ナトリウム溶液を含む溶液である。
【0029】
好ましい態様において、発明は以下を含む:白血球除去マトリックスでの捕捉により血液から白血球を分画する段階、分画された白血球をRBC溶解溶液で処理する段階、分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階、有機溶液で溶解物を抽出して有機相および水相を形成させる段階、有機相をマトリックスの中に吸収した後に有機相および水相を分離する段階、および水相からRNAを単離する段階。
【0030】
さらにより好ましい態様において、発明は以下を含む:白血球除去マトリックスでの捕捉により血液から白血球を分画する段階、分画された白血球をRBC溶解溶液で処理する段階、白血球に浸透しRNAの安定性を増大させる塩を含むRNA保存組成物で分画された白血球を処理する段階、分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階、有機溶液で溶解物を抽出して有機相および水相を形成させる段階、有機相をマトリックスの中に吸収した後に有機相および水相を分離する段階、および水相からRNAを単離する段階。
【0031】
さらなる態様は、以下の段階を含むと定義される:白血球除去マトリックスでの捕捉により血液から白血球を分画する段階、分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階、および溶解物からRNAを単離する段階。
【0032】
発明のいくつかの態様は、溶解物中の1つまたは複数のRNAの存在または量をアッセイする段階を含む。このようなアッセイする段階は、本明細書の提出時点で公知であったか、または後に開発されたかにかかわらず、RNAをアッセイするために適切である分子生物学的アッセイの任意の形態を含む可能性がある。当業者は、本明細書を考慮して、このようなアッセイを発明に適合させる方法を理解すると考えられる。このようなアッセイは、研究および/または診断プロトコルとの関係で、用いられる可能性がある。このようなアッセイは、ノーザンブロット、RNAse保護アッセイ、ハイブリダイゼーション反応、マイクロアレイ解析、または逆転写ポリメラーゼ連鎖反応解析を含む可能性がある。逆転写ポリメラーゼ連鎖反応の使用を含む態様� ��、リアルタイムRT-PCRまたはエンドポイントRT-PCRを用いるとさらに定義される。
【0033】
溶解物から得られたRNAはまた、マイクロアレイ解析を含むプロトコルでアッセイされる可能性もある。いくつかの好ましい態様において、マイクロアレイ解析はcDNAアレイ、スポットオリゴヌクレオチドアレイ(spotted oligonucleotide array)、またはインサイチュー合成オリゴヌクレオチドアレイの使用を含む可能性がある。本明細書において考察しているように、発明のいくつかの態様の利点は、網状赤血球からのαグロビンおよびβグロビン遺伝子mRNA混入の量を減少させ、WBCのマイクロアレイ解析のようなWBC RNA解析が非常に容易になることである。
【0034】
いくつかの態様において、発明は以下を含む白血球から総RNAを抽出するためのキットに関する:白血球除去マトリックス、および上記のような白血球のための細胞溶解溶液。いくつかの態様において、白血球除去マトリックスは、使用中に血液がマトリックスを通過することを可能にするように適合された担体中に含まれる。このような担体はシリンジに合うよう適合され得る。いくつかの態様のキットは、全血が密閉された容器からマトリックスを通り、その後白血球が除去された血液として、さらなる密閉された容器中へ移動されることを可能にする様式で機能するよう適合される。1つまたは複数の容器が、キット中に含まれる可能性がある。キットはまた、1つ、2つまたは3つの以下の成分を含むがこれに限定されるわけではない他� ��成分を含む可能性もある:RBC溶解溶液、白血球に浸透し白血球中のRNAの安定性を増大させる塩を含むRNA保存組成物、有機抽出試薬、ならびに/または固相抽出マトリックスおよびRNAの溶出前に不純物を取り除くためにマトリックスを洗浄するための試薬。
【0035】
特許請求の範囲および/または明細書において「含む」という用語と関連して用いられる場合、「1つ(a)」または「1つ(an)」という語の使用は、「1(one)」を意味する可能性があるが、「1つまたは複数」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは1つ以上」の意味とも一致する。
【0036】
本明細書において考察される任意の態様は、本発明の任意の方法、キット、試薬、または組成物によって実現され得ることが企図され、その逆もまた同様である。さらに、発明の組成物は、発明の方法を実施するために用いられ得る。
【0037】
本出願を通じて、「約」という用語は、値が、値を測定するために用いられるデバイス、方法の誤差の固有のばらつき、または研究対象物中に存在するばらつきを含むことを指すために用いられる。
【0038】
請求の範囲における、「または」という用語の使用は、本開示は選択肢および「および/または」のみを指す定義付けを支持しているが、選択肢のみを指すことが明確に指示されているかまたは選択肢が相互に相容れない場合を除いて、「および/または」を意味するよう用いられる。
【0039】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる場合、「含む(comprising)」という語(および「含む(comprise)」および「含む(comprises)」のような含むの任意の形)、「有する(having)」(および「有する(have)」および「有する(has)」のような有するの任意の形)、「含む(including)」(および「含む(includes)」および「含む(include)」のような含むの任意の形)または「含む(containing)」(および「含む(contains)」および「含む(contain)」のような含有するの任意の形)は、包括的または制限がなく、かつ付加的な、列挙されていない要素または方法の段階を排除しない。
【0040】
本発明の他の対象、特性および長所は、以下の詳細な記載から明らかになる。しかしながら、発明の精神と範囲内で様々は変更および改良が、詳細な記載から当業者に明らかであるため、詳細な記載および具体的な例は、本発明の特定の態様を示すが、例としてのみ示されることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
以下の図面は本明細書の一部を形成し、本発明の特定の局面をさらに示すために含まれる。発明は、これらの図面の1つまたは複数と本明細書において提示される特定の態様の詳細な説明とを組み合わせて参照することにより、より適切に理解されると思われる。
【0042】
【図1】Pall LK4白血球除去マトリックス上の白血球の捕捉の有効性を示す。
【図2】LK4で分画された白血球から回収された高品質RNAを示す。
【図3】図3Aおよび3Bは、高品質RNAがAgilent 2100 Bioanalyzerでの解析により示される事を示す。
【図4】RNAが、処理されていないLK4分画白血球中のRNAと比較して、続けてRNAlaterで処理したLK4分画白血球中でより安定である事を示す。
【図5】RNAlater処理がゲノムDNA混入を減ずる事を示す。
【図6A】血液のLK4分画がグロビンRNA混入を減ずる事を示す。
【図6B】血液のLK4分画がグロビンRNA混入を減ずる事を示す。
【図6C】血液のLK4分画がグロビンRNA混入を減ずる事を示す。
【図6D】血液のLK4分画がグロビンRNA混入を減ずる事を示す。
【図6E】血液のLK4分画がグロビンRNA混入を減ずる事を示す。
【図6F】血液のLK4分画がグロビンRNA混入を減ずる事を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
発明の詳細な説明
本発明者らは、白血球を分画し、それらからmRNAを抽出するための、新しい方法を考案した。これらの方法は、白血球を捕捉するために、Pall社により生産されているような白血球除去フィルタの使用に関し、これには捕捉された白血球からのRNAの単離が続く。本発明者らは、1つの態様において、Pall白血球除去フィルター、例えば「LK4」と称されるフィルターが、その後のRNA抽出のために全血からWBCを回収することができることを示している。20 ml相当の全血量は、本方法を当技術分野におけるRNA抽出に修正可能にする手動のシリンジ形式を用いる採取の時点で迅速に濾過される(約1分)。遠心分離または他の溶液と混合することは、必要とされない。さらに、本発明者らは、血液に運ばれる病原菌にさらされる最小の危険性を提供する、WBC分画のための密閉されたチューブ形式を開発した。血液採取の1〜2分以内で完了させることができ、かつ細胞に遠心力の影響を供しないため、WBC濾過は、単離された白血球のmRNAプロファイルを乱すことが、任意の代替の白血球濾過方法よりも少ないことが期待される。この方法を用いて収集されたRNAの収率および質は優れている。
【0044】
RNAlaterは、Ambionで開発された試薬であり、組織試料中のRNAを安定化する。RNAlater、およびその様々な態様は、両者とも「Methods and Reagents for Preserving RNA in Cell and Tissue Samples」と題された米国特許第6,204,375号および同第6,528,641号に記載され、その全ての開示は全体が本明細書中に組み入れられる。本発明の1つの局面は、全血からのWBCの迅速な分画のため、かつRNAlaterを用いた分画された細胞中のmRNAの迅速な安定化のための手法である。
【0045】
血液からのWBCの単離の方法
全血からWBCを単離するための様々な様式が存在し、その多くは上記に考察されている。しかしながら、本発明の関係において、好ましい単離の方法は、WBCを捕集するが、RBC、血漿、および他の非WBC血液成分は通過させることができるフィルター媒体の使用を含む。この目的を成し遂げるであろうフィルター媒体の任意の形態は、本発明の状況において有用であることが期待される。さらに、本明細書の教示に従うことにより、当業者は、実施例において教示されているようなアッセイ手法で可能性のあるフィルターを使用し結果を解析することによって、本発明の方法における適性について任意の可能性のあるフィルターを試験することができる。
【0046】
WBC単離に対して現在好ましいフィルターは、Leukosorb(登録商標)媒体という名前でPall社により販売されている白血球除去マトリックスである。Leukosorbは、輸血のために血液からWBCを除去するよう当初考案されていた繊維性の媒体である。Leukosorb製品およびその使用の記載は、以下の米国特許で見出され得、その全体の内容は、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる:米国特許第5,501,795号、第5,100,564号、第4,880,548号、第4,923,620号、第4,925,572号、第5,229,012号、および第5,344,561号、ならびに米国特許出願第20030134417号。以下に考察される試験において、LK4 Leukosorbフィルターが用いられた。
【0047】
WBCからRNAを単離する方法
当業者に公知である、細胞からRNAを単離するための多くの方法が存在し、その多くまたは全ては本発明に適合できる。
【0048】
全血および分画された白血球から総RNAを抽出するための大部分の方法は、グアニジンチオシアネート、細胞膜を破壊しヌクレアーゼを含むタンパク質を変性させる強力なカオトロープ、中での試料の最初の溶解を含む。通常用いられる市販の試薬の1つ、TRIzol(登録商標)(Life Technologies, Inc.
)は、グアニジン塩およびフェノールの混合物からなる。標準的なプロトコルにおいて、全血は3倍量のTRIzol試薬と混合され、その後クロロフォルムが添加され、この調製物は有機相および水相中に分離するために遠心分離される。RNAは、イソプロパノールで水相から沈殿し、沈殿物は混入物を減ずるためにエタノールで洗浄される。
【0049】
血液からRNAを精製するためのもう1つの一般的な方法は、シリカマトリックスの上での固相抽出を含む。血液試料は、グアニジン溶液中または他の溶解溶液中で溶解され、細胞溶解物はエタノールと混合され、RNAを結合するシリカフィルター上に置かれる。フィルターは、混入物を取り除くために洗浄され、その後RNAは水で溶出される。DNase消化段階は、ゲノムDNA混入を排除するために全てのRNA単離方法で、通常推奨される。
【0050】
他の方法は、陽イオン界面活性剤中で(Macfarlane and Dahle, 1997)または塩化リチウム/尿素溶液中での全血の溶解に基づく。
【0051】
血液からRNAを単離するための市販製品は、Ambion RiboPure-Bloodキット(Ambion)およびPAXgene(登録商標)システム(PreAnalytix)を含む。RiboPure-Bloodキットの使用は、下記の実施例において記載されている。PAXgeneシステムにおいて、〜2.5 mlの血液試料が、溶解溶液の〜7.5 mlを含有する真空採血チューブの中に直接吸引される。室温で少なくとも2時間の試料の保存の後、RNAをペレット状にし、洗浄し、プロテアーゼで処理し、その後調製物をエタノールで混合し、その後上記のようにシリカフィルター上で精製する。
【0052】
WBCから単離されたRNAおよびDNAを使用する方法
本発明の様式でWBCから単離されたRNAおよびDNAは、当業者により理解されているように、DNAまたはRNAが関与する任意の分子生物学的技術で用いられる可能性がある。
【0053】
発明のいくつかの好ましい態様は、下記に記載されたように、研究および/または診断目的のための発現プロファイリングを含む。他の態様は、その全体の開示が参照により本明細書に組み入れられる、「Crude biological derivatives competent for nucleic acid detection」と題されたPasloskeによる米国特許公報第20030170617号に記載されているような、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応プロトコルにおける、WBCから単離されたRNAの使用を含む。発明の好ましい態様の1つにおいて、本明細書において記載された白血球除去フィルターを用いて単離されたWBCは、米国特許公報第20030170617号に記載された方法で処理される。
【0054】
他の使用は、1つまたはいくつかの遺伝子から転写されたmRNAの発現のレベルの解析、全体的なmRNA発現レベルの解析、マイクロRNAおよび低分子干渉RNAのような低分子内因性RNAおよび外因性RNA分子の発現レベルの解析、および変異およびSNPを含む遺伝的多型の発見および解析を含む。
【0055】
例えば、ノーザンブロット、RNase保護アッセイ、S1ヌクレアーゼ保護アッセイ、および逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)のようなアッセイは、1または数個のmRNAのレベルの解析において用いられる可能性がある。1またはいくつかのmRNA種に対する特に有用なアッセイは、リアルタイムRT-PCRとして公知のRT-PCRの改変である(定量RT-PCRとしてもまた公知である)。概して、これらのアッセイは、標識されたプローブ、例えば32-Pまたはビオチンまたはジゴキシゲニンのような検出可能部分と結合しているヌクレオチドの取り込みにより標識されたRNAまたはDNAプローブへのRNA試料のハイブリダイゼーション、または続いてRCRまたはT7、T3およびSp6 RNAポリメラーゼのようなRNAポリメラーゼ酵素を用いるcDNA標的の増幅を伴う、レトロウイルスによる逆転写酵素、例えばモロニー白血病ウイルス(M-MuLV)またはトリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)から単離された、またはこれらに由来する逆転写酵素を用いRNA試料中の標的RNAの相補的DNA(cDNA)への変換のいずれかに基づく。
【0056】
発現プロファイリングの方法
本発明を用いて分画された血液細胞から回収されたRNAは、疾患、予後、および治療に対する反応と相互に関係があるmRNAレベルのパターンの発見を助ける発現プロファイリング実験のためのインプットとして使用され得る。
【0057】
概して、発現プロファイリングのために用いられるRNAは、逆転写活性を有する酵素により相補的DNA(cDNA)へ変換され、検出可能部、例えば蛍光標識されたdNPTまたはビオチン化されたdNTPが逆転写段階の間にcDNA中に取り込まれる。標識されたcDNAは、その後、検出可能なシグナル、例えば蛍光発光が特定のmRNAに対して特異的な要素と関連するように、固体支持体上に配置された要素にハイブリダイズされる。アレイ上の要素は、標的mRNAに対して相補的な、オリゴヌクレオチドまたはcDNAからなり得る。
【0058】
インプットRNAに対する必要条件は、逆転写酵素の阻害因子、または所望のmRNA標的の明確な検出を妨げ得るレベルのゲノムDNAを含有しないことである。
【0059】
白血球からの発現プロファイリングのために用いられるインプットRNAにおけるもう1つの望ましくない混入物は、α-およびβ-グロビン遺伝子からのmRNAである。分画されていない全血から抽出されたインプットRNAを用いる発現プロファイリングの複雑さの要因は、高レベルのα-およびβ-グロビンのmRNAを含む、網状赤血球として公知である、未成熟赤血球の多数の存在(白血球の数と比較して)である。RNAが全血から抽出され、マイクロアレイ発現プロファイリングアッセイでの使用のために増幅された場合、グロビンmRNAの産物が増幅された物質において優勢をとなり、関心対象の他のmRNAの検出感度の劇的な減少をもたらす。(Affymetrix Technical Notes, 「Blood RNA Isolation Methods for GeneChip Expression Analysis」;「An Analysis of Blood Processing Methods to Prepare Samples for GeneChip Expression Profiling」)。このグロビンmRNAの混入は、マイクロアレイプロファイリングのためのインプットとしてのRNAの使用を危うくする。本発明の特別の長所は、大部分の網状赤血球が白血球除去フィルター上での血液の分画過程の間に取り除かれることである。
【実施例】
【0060】
以下の実施例は、発明の様々な局面をさらに例示するために含まれる。以下の実施例で開示される技術は、本発明の実施において十分に機能するために、本発明者らにより発見された技術および/または組成物を提示し、したがってその実施のために好ましい様式の構成要素となると見なされうることが、当業者に理解されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして多くの変更が開示されている特定の態様において成されることができ、それでもなお、本発明の精神と範囲から逸脱することなく同様のまたは類似の結果をもたらすことを認識するべきである。
【0061】
実施例1
白血球除去マトリックスの白血球の捕捉の有効性
試験が、試作品デバイスを用いて全血から白血球が捕捉される有効性を明らかにするために実施された。6つのEDTA血液の10 ml試料を、Pall社のLK4フィルターを通過させ、濾液を未使用のチューブ中に収集した。白血球層分画として捕捉されなかった任意のWBCを回収するために、濾液をその後スイングバケット遠心分離(swinging bucket centrifuge)で3,200rpmで15分間遠心分離した。白血球層を使い捨ての広径トランスファーピペットを用いて収集した。
【0062】
RNAをLK4フィルターおよび対応する白血球層分画からAmbion RiboPure-Bloodキットを用いて抽出した。簡潔に述べると、このプロトコルは、WBC(白血球除去マトリックス上に捕捉されている可能性があり、または全血中もしくは血液の白血球層分画中に存在する可能性がある)をグアニジンチオシアネートを基礎にした溶解溶液中で溶解する段階、調製物のpHを減ずるために酢酸ナトリウムを添加する段階、低pHフェノール/クロロフォルムを添加する段階、および調製物を完全にボルテックスしその後室温で5分間保存する段階を含む。その後混合物を水相と有機相に分離するために遠心分離し、上部の水相を新しい試験管へ取り除き、適当な量の無水エタノール、例えば2分の1量の無水エタノールで混合する。ヘムならびに血漿および細胞タンパク質の大部分の混入を含んでいる下位の有機相は廃棄される。� ��相+エタノール混合物を、その後シリカ膜を通して濾過し、ここでRNAはシリカマトリックスに結合する。シリカマトリックスを、グアニジンおよび他の独自の成分を含む、第一の洗浄溶液で洗浄し、続いてエタノールと他の独自の成分を含む第二の洗浄溶液で洗浄する。濾過および洗浄段階は、遠心分離または真空濾過により溶液をシリカフィルターに通過させることにより成し遂げられる。洗浄段階が完了した後、シリカフィルターを残りの流動体を取り除くために遠心分離し、フィルターを第2の試験管、例えば2 ml微量遠心管チューブへ移す。その後RNAを、0.1 mM EDTAを含む予熱されたヌクレアーゼが含まれていない水をシリカマトリックスに適用し、RNAを回収するために集合体を遠心分離することにより、シリカフィルターから溶出する。
【0063】
各試料からのRNAを200 μlで溶出し、15 μlの各調製物を図1に示すように、臭化エチジウム存在下で変性アガロースゲルで解析した。試料を、LK-4で回収したRNAを第1のレーンに、対応する濾過で回収したRNAを隣接したレーンになるように、対でロードした。この形式においてフィルターマトリックスを用いる全血からのWBC捕捉の有効性は、図1に示すように、〜75から85%の範囲で変化した。この有効性は、マイクロアレイ発現プロファイリング試験においてインプットとして利用するための十分なRNAを得るために十分以上である。
【0064】
実施例2
高品質RNAはフィルターマトリックスで分画された白血球から回収され得る
図2、図3Aおよび図3Bは、本発明の方法を用いてLK4で分画された細胞から回収されたRNAの収率および質を示す。
【0065】
図2は、アガロースゲル電気泳動によるRNAの解析を示す。抗凝固処理した血液(10 ml)を、2つの形式のうち1つを用いて、口径2.5 cmのLK4を通して濾過した。この試験において、最初の3レーンの試料を、LK4フィルターが使い捨てのシリンジデバイス中に残り、抽出試薬がRNAを遊離させるためにフィルターを通って流される形式を用いて処理した。図2中の最後のレーンの試料を、フィルターが処理のためにデバイスから取り除かれる、再利用可能なシリンジデバイス形式でLK4を用いて処理した血液から回収した。各試料からのRNAを、200 μlの0.1 mM EDTAを含むヌクレアーゼを含まない水で溶出し、15 μlの各調製物を、臭化エチジウム存在下で変性1%アガロースゲルで解析した。無傷の高品質RNAは、18S(下側のバンド)および28S(上側のバンド)リボソームRNAの特徴に対応するエチジウム染色物質のはっきりしたバンドにより証明されるように、明らかである。LK4フィルターが取り除かれる形式を用いて回収されたRNA(図2のレーン4)は、フィルターがインサイチュー処理されるもう1つの形式(図2のレーン1〜3)と比較して、ゲノムDNAによる混入物のより高いレベルを常に示した。LK4で捕捉された細胞から回収されたRNAの純度はまた、260 nmおよび280 nmでのUV吸光度値、高純度RNAであることを示す、1.9-2.1の狭い範囲に及ぶ260:280吸光度比を測定することでも評価した。
【0066】
図3Aおよび図3Bは、Agilent 2100 Bioanalyzerでマイクロフルイディクス分離によって解析されたRNAを示す。Agilent BioanalyzerでのRNAの解析は、この機械は18Sおよび28S rRNAのピークの高さの比に対して数値を与えるため、例えば、発明のいくつかの態様に対しては特に有用である。〜5 キロベース28S rRNAは、〜2 kb 18S rRNAよりも分解を受けやすく、非常に高い28S:18S rRNA値は、より高度に無傷であるRNAと関係する。マイクロアレイ試験のためのインプットとして使用ために十分な質のRNAを表す28S:18S rRNA値の合意は未だ明らかになる途中であるが、RNAは本適用において最も成功裏に用いられるためには少なくとも1の28S:18S rRNA比を有するべきであることが示唆されている。図3Aおよび図3Bは、フィルターが処理のためにデバイスから取り除かれる形式を用いてLK4で分画された白血球から抽出された、2つのRNA調製物に対する典型的なAgilent Bioanalyzerデータを示す。これらの調製物を、溶出後、DNase 1で処理した。1ミリリットルの各調製物を、RNAに特異的に(または少なくとも優先的に)結合する独自の色素を含有する試料ローディング溶液で混合し、Agilentチップに泳動した。28S:18S rRNAピークの高さの比は、カットオフ値の1より十分に上であった。概して、Agilent softwareにより決定される、調製物のこの種類からのRNAの収率は、血液の10 mlあたり〜30から60μgの範囲にわたる。
【0067】
実施例3
RNAlater処理は、分画されたWBC中のRNAを保存する
図4で示されるデータは、未処理試料と比較した、RNAlaterで処理した試料における18Sおよび28SリボソームRNAバンドのより強い染色により示されるように、RNAが無傷であることを保つために、RNAlaterでLK4により捕捉された細胞を処理する事の利点を示す。LK4で捕捉された細胞をRNAlaterで処理する特定の長所は、該処理が、捕捉された細胞を含有するデバイスを、外界温度で試料採取地点からRNA抽出および解析のための離れた場所のラボへ移動させることを可能にすることである。外界温度での試料の移動は、RNA解析に関連する費用を減ずる。
【0068】
これらのデータを得るために、3人の健康なドナーからの二重の10 ml EDTA血液試料を使い捨てシリンジフィルター単位中に含まれるLK4白血球除去マトリックス上で濾過した。試料の各一対の1つは、「リングモールド(ring-molded)」と呼ばれる設計を有する使い捨て可能なフィルター単位デバイス上で濾過し、もう1つは、「psf」と呼ばれるもう1つの設計を有する使い捨てフィルター単位を通して濾過した。血液を濾過した後、フィルター上に捕捉された細胞を、LK4マトリックスに2 mlのRNAlaterを通すことによりRNAlaterで処理し、RNAlaterは、捕捉された細胞を伴うLK4マトリックスを含有するフィルター単位に結合された3 mlシリンジを経て送達された。
【0069】
LK4に捕捉された細胞を含有するフィルター単位を、シリンジから取り除き、外界温度での夜通しの宅配業者を経て試料採取地点から実験室へ輸送された。RNAを、LK4により捕捉された細胞から抽出し、0.1 mM EDTAを含有する230 μlの水で溶出し、15 μl(各調製物の〜6.5%)を、10 μg/ml臭化エチジウムを含む8 μlの変性ゲルローディング溶液で混合し、変性アガロースゲル上に電気泳動により分離した。各レーンの試料は、以下の通りであった:レーン1-ドナー#1、リングモールドデバイスを通して濾過し、RNAlaterで処理した試料;レーン2-ドナー#1、psfデバイスを通して濾過し、RNAlaterで処理した試料;レーン3-ドナー#2、リングモールドデバイスを通して濾過し、RNAlaterで処理した試料;レーン4-ドナー#2、psfデバイスを通して濾過し、RNAlaterで処理した試料;レーン5-ドナー#3、リングモールドデバイスを通して濾過し、RNAlaterで処理しない試料;レーン6-ドナー#3、psfデバイスを通して濾過し、RNAlaterで処理しない試料;およびレーン7-同じ時間に他の試料の様に処理しなかった、参照RNA試料。
【0070】
図4中のデータで見られ得るように、RNAlaterで処理しなかった試料は、RNAlaterで処理した試料とは対照的に、RNAを著しく分解していた。これらのデータは、RNAlater処理は、発明の状況で重要な長所をもたらす。
【0071】
実施例4
RNAlater処理はゲノムDNA混入を減ずる
図5は、ゲノムDNA混入を減ずるための、濾過した白血球のRNAlaterへの曝露の長所を示す。全ての試料は、示されたように、直径2.5 cm LK4フィルターを通して濾過し、室温で4日間保存した、10 mlのEDTA-血液に由来する。各調製物から回収されたRNAの約7%を変性アガロースゲルで解析した。レーン1では、フィルターは処理していない。レーン2では、フィルターを、2.
4 mlのグアニジンチオシアネート溶解溶液中で保存した。レーン3では、フィルターを保存前に、3 mlのRNAlaterで処理した。レーン4は、処理していない、保存していない、および溶出後DNaseで処理したフィルターでの陽性対照RNAを示す。GuSCN溶液中に室温で4日間保存したフィルター中のRNA(レーン2)の深刻な分解があったことに留意されたい。さらに、DNAの混入は、抽出前にRNAlaterで処理した試料(レーン3)で著しく減ぜられたことに留意されたい。
【0072】
実施例5
WBCのフィルターマトリックス分画はグロビンmRNAの混入を減ずる
全血からまたは遠心分離によって分画したWBCからのグロビンmRNAに由来する増幅されたRNAの量と比較して、混入しているグロビンmRNAの望ましくない産物をLK4分画が増幅されたRNA(aRNA)において減ずる程度を評価するために、試験を実施した。
【0073】
単一のドナーからのEDTA抗凝固処理した血液のいくつかのチューブを処理した。総RNAを、LK4で分画されたWBCから、全血から、および遠心分離により分画されたWBCから(「白血球層」分画されたWBC)、抽出した。これら3種類の試料からのRNAは、Ambion MessageAmp(商標)キットを用いる、T7 RNAポリメラーゼにより媒介される直線的増幅のためのインプットとして用いた。キットからの非血液由来RNA(ヒトHeLa細胞株由来)が、陽性対照として含まれた。第1鎖および第2鎖合成の後、二本鎖cDNAをT7 RNAポリメラーゼで転写し、aRNA(amplified RNA)反応産物を独自のRNA結合蛍光色素マトリックスと混合し、Agilent 2100 Bioanalyzerで解析された。この機械は、より大きな分子よりもより小さな分子が早く移動することを用いて、サイズに従って異種RNA分子を分離する。
【0074】
図6A、図6B、図6C、図6D、図6Eおよび図6Fはこの試験からのデータを示す。これらの各々において、横軸は時間を示し、縦軸は蛍光強度を示す。各パネル中の矢印は、αおよびβグロビンmRNAから誘導される増幅されたRNAの「スパイク(spike)」を示す(Affymetrix Technical Bulletin,「Globin Reduction Protocol: A Method for Processing Whole Blood RNA Samples for Improved Array Results」に記載されている)。血液由来RNAから増幅されていないので、陽性対照HeLa RNAからの試料は、グロビンaRNAのスパイクを有することは予測されない。LK4で分画されたWBCから増幅されたRNAを含む図6Aおよび図6B中のグロビンaRNAのスパイクの大きさは、分画されていない全血からのaRNAを含む図6Cおよび図6D中のグロビンaRNAのスパイクの大きさと比較して著しく減ぜられる。グロビンaRNAのスパイクはまた、図6E中の白血球層から分画された試料中のグロビンaRNAと比較された、LK4で分画された試料において劇的に低い。図6Fは、HeLa細胞株対照RNAからのaRNAを含み、よってグロビン産物のいかなるスパイクも示さない。
【0075】
実施例6
網状赤血球の溶解はグロビンmRNAの混入を減ずる
さらなる試験を、網状赤血球の溶解が血液からのRNA調製物中のαおよびβ-グロビン転写産物のレベルを減じ得るかどうか示すために実施した。
【0076】
RNAを、全血(WB)またはあらかじめRBC溶解溶液(150 mM NH4Cl、10 mM NaHCO3、ph:7.0)洗浄した白血球除去フィルター(LDF)で捕捉された細胞から抽出した。混入しているRNAをレベルを、反応当たり総RNAの10 ngのインプットを用いる、一段階定量RT-PCR(qRT-PCR)により評価した(Nanodrop spectrophotometerで260 nmのUV吸光度数値により決定される)。増幅プライマーは、αまたはβグロビン配列のどちらかに特異的であり、反応産物は、ABIからのAssays On Demend(FAM/Tet Taqman(登録商標)プローブおよびプライマー)を用いて製造元プロトコルに従い検出された。
【0077】
これらの試験の結果は表1に示される。データは、WB試料と比較した、LDF試料中のαおよびβグロビンのmRNAの減ぜられたレベル(すなわち、より高いサイクル閾値(Ct)を示す。Ctの減少は、α-グロビンRNAで4.28およびβ-グロビンRNAで5.54であることが計算された。これらの値は、それぞれ、〜20倍および〜48倍のグロビンRNAの減少に対応する。したがって、除去マトリックスへの白血球の結合、およびRBC溶解溶液でのマトリックスの洗浄は、グロビンRNAの混入の減少において極めて有効である。
【0078】
【表1】

【0079】
実施例7
白血球からmRNAを単離するための例示的な手法
本発明の好ましい方法において、白血球除去フィルター、例えばLK4フィルターは、血液を濾過した後に、フィルターが回収されることを可能にするシリンジフィルター単位に合うよう切断または提供される。この方法は、フィルターが目詰ますることなく、40 mlまたはより多くの血液を濾過するために用いられ得る。
【0080】
例示的な段階は以下の通りである。
【0081】
1.任意の公知の様式、例えば抗凝固剤としてEDTAを用い、かつ標準的な真空チューブ、すなわちVacutainerチューブ中に血液を収集する方法を用いて、例えば10から20 mlの抗凝固処理した全血の試料を得る。
【0082】
2.血液をシリンジ、例えば20から30 mlシリンジまたは他の適当な容器へ試料を移す。いくつかの態様において、これは、採血チューブの栓を通じて挿入され、かつシリンジに適合しているルアー(luer)を経て取り付けられるベントスパイク(vented spike)を用いることにより、血液チューブを開けることなしに行われる。
【0083】
3.白血球除去フィルター、例えばフィルターの円直径〜2.5 cmを含有するフィルターデバイスをシリンジに取り付け、血液をフィルターに通過させる。発明者らは通常、秒当たり〜2から4滴で滴下するような速度で、血液をフィルターに通過させる。白血球を除去された血液は、処分のための廃棄容器週に収集され得るか、または他の臨床アッセイでの使用のために収集および保管され得る。全ての血液が通過した後に、残った血液の大部分を流し出すために(これは、泡状の物質として、しばしば出てくる)、〜10 mlの空気をフィルターを通して注入する。この段階は、白血球をフィルター上に分画し、試料を〜50倍濃縮する。この段階を実施するためのもう1つの構造は、白血球除去フィルターデバイスを、採血チューブの中に挿入されたベントスパイクとフィルターを通じて血液を抜き取るために用いられるシリンジとの間に配置することである。この場合は、白血球はフィルターの遠位側表面上(シリンジに対して)に収集され、白血球を除去された血液はシリンジ中へ移され、その後処分される。
【0084】
4.(任意)捕捉された白血球を含有する白血球除去フィルターをRBC溶解緩衝剤で処理する。RBC溶解緩衝剤は、フィルターを通過する事ができ、その後網状赤血球および赤血球溶解物を含有する溶出物が廃棄され得る。
【0085】
5.捕捉された白血球を含有する白血球除去フィルターをRNAlaterで処理する。これを行うための1つの方法は、RNAlaterを含有するシリンジをフィルターを含有するフィルターデバイスへ取り付け、フィルターを通してRNAlaterを流す方法である。通常、2から3 mlのRNAlaterで十分量である。全ての流体が流され得るが、フィルターを通しての過剰な空気の通過は、フィルターの乾燥を妨ぐために避けるべきである。フィルターを、RNAlaterで湿らせたままとするべきである。これを行うためのもう1つの方法は、上記のベントスパイクをRNAlaterを備える容器の中に挿入し、フィルターを通じてシリンジの中までRNAlaterを吸引する方法である。
【0086】
6.フィルターを収容するデバイスを開け、鉗子でフィルターを取り除き、それを例えば15 mlポリプロピレン使い捨て円錐形遠心管(15 mlファルコンチューブ)中に置く。RNAlaterで安定化された白血球を伴うフィルターは、RNA単離前に、外界温度で少なくとも一週間、保存される場合がある。
【0087】
7.RNAを抽出するために、Ambion RiboPure-Blood(商標)キットの試薬、または任意の他の適切なRNA抽出手法を使用する。Ambion RiboPure-Bloodキットを用いる場合、単離の段階は、おおよそ以下の通りである。明らかに、これらの手法における、段階、量、および濃度は、当業者により改良または代替されうる。
a. 2.4 mlのグアニジンチオシアネート溶解溶液および0.15 mlの酢酸ナトリウム溶液を、フィルターを備える15 mlチューブに加え、30秒間振とうさせる。
b. 1.5 mlの酸性フェノール/クロロフォルムをチューブへ加えて30秒間振とうさせ、その後調製物を室温で5分間保つ。
c. 調製物を卓上遠心分離器で、10分間、3,200 rpmで遠心分離する。
d. 水相を第2の15 mlチューブの中に吸引または流し出し、1/2量のエタノールを加え、ボルテックスして混合する、この段階での調製物の量は〜4.5 mlである。
e. 調製物をマイクロ遠心分離カートリッジ形式中のシリカフィルター(RNAqueousフィルターカートリッジ)上に通過させ、これは、それぞれ10秒間回転する〜6回の通過を必要とするが、遠心機を用いる場合、真空多岐管またはシリンジ形式を用いてより簡単に行い得る。
f. フィルターを0.7 mlの洗浄溶液#1で洗浄する。
g. フィルターを2回、各回で0.7 mlの洗浄溶液#2/3で洗浄し、その後フィルターを1分間遠心分離して乾燥させる。
h. フィルターからRNAを、〜75℃に予熱された〜200 μlの溶出溶液で溶出する。
【0088】
8. 望ましければ、残りのゲノムDNAを排除するためにDNase 1でRNAを処理し、DNAを含まない樹脂でDNAaseを不活性にする(推奨方法)。
【0089】
実施例8
WBCの迅速な分画のための例示的な閉鎖システム
本発明は、全血からのWBCの迅速な分画のための密閉されたシステムを可能にさせる。
【0090】
例えば、標準的な真空チューブ(Vacutainer(登録商標)チューブ、BectonDickinson)で収集された、抗凝固処理した全血から白血球を濾過する事ができる。この点において、チューブのゴムの閉鎖物が、円直径2.5 cmの白血球除去マトリックスを含むシリンジフィルターデバイスの入口に適合するルアーを経て取り付けられる、ベントトランスファースパイク(vented transfer spike)により刺し通される。
【0091】
標準の10 ml使い捨てシリンジは、フィルターデバイスの出口に取り付けられ、血液はシリンジの中へフィルターを通じて吸い込まれる。濾液は、いかなる溶血も示さず、血液化学試験または他のアッセイのために保持され得る。他の構造もまた、血液濾過のために用いる事ができ、例えば血液はシリンジの中に注ぎ込まれ(プランジャーを除去し、デバイスを含む白血球除去マトリックスを取り付けた後に)、陽圧により濾過する事ができる。いずれにしても、残留網状赤血球および赤血球を取り除くために、RBC溶解溶液はフィルターを通過さし、続いて血液から白血球を収集してもよい。2.5 cm LK4フィルターを通じての10 ml血液試料の移動は、通常、1分未満の時間を要する。
【0092】
本方法の長所は、迅速であり、血液に運ばれる病原菌への曝露を排除し、かつ遠心機のようないかなる装置も必要としないことである。この後者の事項は、本方法が、電力が入手できない現場状況、および大きな装置に対空間が制限されるB3バイオハザード封じ込めフードのような、遠心分離が実行できない状況での利用に修正可能であることを意味する。代替の形式がまた、閉鎖システムで、またはたとえ例えば採血チューブが開かれ、かつ血液が取り付けられたフィルターデバイスが取り付けられたシリンジ円筒部に注ぎ込まれる開放システムでも、フィルターに全血を通過させるために用いられ得ることが当業者に認識されると考えられる。
【0093】
本発明のいくつかの態様において、フィルター媒体は、WBC分画およびRNA抽出過程の間、収納容器内に留まる。この形式は、いくつかの適用において、容易さおよび混入防止の長所を提供する。しかしながら、他の態様において、フィルター媒体は、分画後だがRNA抽出前に、収納容器から取り除いてもよい。
【0094】
本明細書において開示および請求される全ての方法は、本開示に照らして過度の実験なしに成されかつ達成され得る。本発明の方法は、好ましい態様に関して記載されているが、方法および/または段階においてまたは本願明細書において記載された方法の段階の順序において、本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく変更が適用される可能性があることは、当業者に明らかである。さらに詳細には、同様のまたは類似の結果が達成される限り、化学的におよび生理学的に関連する特定の作用物質が、本明細書において記載される作用物質の代わりに用いられ得ることが明らかである。当業者に明らかな全てのこのような類似の置換および改良は、添付の特許請求の範囲により定義されている、本発明の精神、範囲および概念� ��範囲内であると見なされる。
【0095】
参考文献
以下の参考文献が、本願明細書の内容に対して、例示的な手順を提供する、または他の補助的な詳細を提供する範囲内で、参照により本明細書に具体的に組み入れられる。





【特許請求の範囲】
【請求項1】
白血球除去マトリックスを用いて全血から白血球を分画する段階;および
分画された白血球を溶解してRNAを含む溶解物を得る段階
を含む、RNAを含む白血球溶解物を得る方法。
【請求項2】
溶解時、白血球がマトリックス上に含まれる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
溶解前に、白血球がマトリックスから流し出される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
白血球の溶解前に、マトリックスを含む白血球がある期間保存される、請求項2記載の方法。
【請求項5】
分画された白血球が、溶解溶液と接触する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
溶解溶液が、界面活性剤を含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
界面活性剤が、Triton X-100、Tween-20、SDS(sodium dodecyl sulfate)、サルコシル(sarcosyl)、またはデオキシコール酸である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
溶解溶液がカオトロピック剤を含む、請求項5記載の方法。
【請求項9】
カオトロピック剤がグアニジン塩である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
グアニジン塩がグアニジンチオシアネートである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
溶解溶液がリボヌクレアーゼ阻害因子を含む、請求項5記載の方法。
【請求項12】
溶解溶液がプロテアーゼを含む、請求項5記載の方法。
【請求項13】
プロテアーゼがプロテイナーゼKである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
溶解物からRNAを抽出する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
RNAを抽出する段階が有機抽出によって行われる、請求項14記載の方法。
【請求項16】
有機抽出がフェノール/クロロフォルム抽出である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
溶解物からRNAおよびDNAを抽出する段階をさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項18】
溶解前に、白血球に浸透しかつ保存組成物で処理されていない細胞中のRNAと比較してRNAの安定性を増大させる塩を含むRNA保存組成物で、分画された白血球を処理する段階を含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
塩が硫酸塩である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
塩が硫酸アンモニウムである、請求項19記載の方法。
【請求項21】
保存組成物中の最終塩濃度が、10 g/100 mlから飽和濃度の間である、請求項18記載の方法。
【請求項22】
塩が、20 g/100 mlから塩の飽和濃度の間の最終濃度で保存組成物中に存在する、請求項20記載の方法。
【請求項23】
塩が、30g/100 mlから80 g/100 mlの間の最終濃度で保存組成物中に存在する、請求項20記載の方法。
【請求項24】
RNA保存組成物が、少なくとも2つの塩を含む、請求項18記載の方法。
【請求項25】
総塩濃度が、20 g/100 mlから100 g/100 mlの間の最終濃度で保存組成物中に存在する、請求項24記載の方法。
【請求項26】
分画された白血球が白血球除去マトリックス上に含まれ、マトリックスがRNA保存組成物と接触する、請求項18記載の方法。
【請求項27】
分画された白血球から有機抽出でRNAを抽出する段階をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項28】
抽出されたRNAが、RNA保存媒体で処理されなかった分画された白血球から抽出されたRNAよりも少ないDNA混入物を有する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
網状赤血球の混入を減ずるために、分画された白血球を溶液で処理する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項30】
溶液がRBC溶出緩衝剤である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
溶液がRBC溶解溶液である、請求項29記載の方法。
【請求項32】
RBC溶解溶液が、水または塩化アンモニウム溶解溶液である、請求項31記載の方法。
【請求項33】
白血球除去マトリックスで捕捉することにより血液から白血球を分画する段階;
分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階;
溶解物を有機溶液で抽出して有機相および水相を形成させる段階;
有機相および水相を分離する段階;および
水相からRNAを単離する段階
を含むように、さらに定義される、請求項1記載の方法。
【請求項34】
白血球除去マトリックスで捕捉することにより血液から白血球を分画する段階;
白血球へ浸透する塩を含み、RNAの安定性を増大させるRNA保存組成物で、分画された白血球を処理する段階;
分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階;
溶解物を有機溶液で抽出して有機相および水相を形成させる段階;
有機相および水相を分離する段階;および
水相からRNAを単離する段階
を含むように、さらに定義される、請求項1記載の方法。
【請求項35】
白血球除去マトリックスで捕捉することにより血液から白血球を分画する段階;
白血球へ浸透する塩を含み、RNAの安定性を増大させるRNA保存組成物で、分画された白血球を処理する段階;
分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階;および
溶解物からRNAを単離する段階
を含むように、さらに定義される、請求項1記載の方法。
【請求項36】
白血球除去マトリックスで捕捉することにより血液から白血球を分画する段階;
分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階;および
溶解物からRNAを単離する段階
を含むように、さらに定義される、請求項1記載の方法。
【請求項37】
白血球除去マトリックスで捕捉することにより血液から白血球を分画する段階;
網状赤血球の混入を減ずるために、分画された白血球を溶液で処理する段階;
分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階;
有機溶液で溶解物を抽出して有機相および水相を形成させる段階;
有機相および水相を分離する段階;および
水相からRNAを単離する段階
を含むように、さらに定義される、請求項1記載の方法。
【請求項38】
白血球除去マトリックスで捕捉することにより血液から白血球を分画する段階;
網状赤血球混入を減ずるために、分画された白血球を溶液で処理する段階;
白血球へ浸透し、RNAの安定性を増大させる塩を含むRNA保存組成物で、分画された白血球を処理する段階;
分画された白血球を溶解して溶解物を生じさせる段階;
有機溶液で溶解物を抽出して有機相および水相を形成させる段階;
有機相および水相を分離する段階;および
水相からRNAを単離する段階
を含むように、さらに定義される、請求項1記載の方法。
【請求項39】
溶解物中の1つまたは複数のRNAの存在または量をアッセイする段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項40】
アッセイする段階が、Northernブロット、RNAase保護アッセイ、ハイブリダイゼーション反応、マイクロアレイ解析、または逆転写ポリメラーゼ連鎖反応解析を含む、請求項39記載の方法。
【請求項41】
アッセイする段階が、リアルタイムRT-PCRまたはエンドポイントRT-PCRとしてさらに定義される逆転写ポリメラーゼ連鎖反応を含む、請求項40記載の方法。
【請求項42】
アッセイする段階が、マイクロアレイ解析を含む、請求項40記載の方法。
【請求項43】
マイクロアレイ解析が、cDNAアレイ、スポットオリゴヌクレオチドアレイ(spotted oligonucleotide array)、インサイチュー合成オリゴヌクレオチドアレイの使用を含む、請求項42記載の方法。
【請求項44】
白血球除去マトリックス、および白血球溶解溶液を含む、白血球から総RNAを抽出するためのキット。
【請求項45】
白血球除去マトリックスが、使用中に血液がマトリックスを通過することを可能にするよう適合された担体中に含まれる、請求項44記載のキット。
【請求項46】
担体が、シリンジに合うよう適合される、請求項45記載のキット。
【請求項47】
全血が密閉された容器からマトリックスを通り、白血球除去血としてさらに密閉された容器の中に移動することを可能にする様式での機能に適合されるとさらに定義される、請求項44記載のキット。
【請求項48】
RBC溶解溶液および/またはRBC溶出緩衝剤をさらに含む、請求項44記載のキット。
【請求項49】
白血球に浸透しかつ白血球中のRNAの安定性を増大させる塩を含むRNA保存組成物をさらに含む、請求項44記載のキット。
【請求項50】
有機抽出試薬をさらに含む、請求項44記載のキット。
【請求項51】
RNAの溶出前に、不純物を取り除くためにマトリックスを洗浄するための固相抽出マトリックスおよび試薬をさらに含む、請求項50記載のキット。


【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6A】

【図6B】

【図6C】

【図6D】

【図6E】

【図6F】


【公開番号】特開2011−200236(P2011−200236A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
化学;冶金 | 生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学 | 酵素または微生物を含む測定または試験方法そのための組成物または試験紙;その組成物を調製する方法;微生物学的または酵素学的方法における状態応答制御 | 酵素または微生物を含む測定または試験方法;そのための組成物;そのような組成物の製造方法 | 核酸を含むもの
物理学 | 測定;試験 | 材料の化学的または物理的性質の決定による材料の調査または分析 | グループ1/00から31/00に包含されない,特有な方法による材料の調査または分析 | 生物学的材料,例.血液,尿
物理学 | 測定;試験 | 材料の化学的または物理的性質の決定による材料の調査または分析 | グループ1/00から31/00に包含されない,特有な方法による材料の調査または分析 | 生物学的材料,例.血液,尿 | 生物学的材料,例.血液,尿,の化学分析;生物学的特異性を有する配位子結合方法を含む試験;免疫学的試験 | 免疫分析;生物学的特異的結合分析;そのための物質
物理学 | 測定;試験 | 材料の化学的または物理的性質の決定による材料の調査または分析 | このサブクラスの他のいずれのグループにも包含されない細部
化学;冶金 | 生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学 | 微生物または酵素;その組成物 | 突然変異または遺伝子工学;遺伝子工学に関するDNAまたはRNA,ベクター,例.プラスミド,またはその分離,製造または精製;そのための宿主の使用 | 組換えDNA技術
【出願番号】特願2011−99231(P2011−99231)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【分割の表示】特願2007−504083(P2007−504083)の分割
【原出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(310009775)アプライド バイオシステムズ リミテッド ライアビリティー カンパニー
【Fターム(参考)】
生物学的材料の調査、分析 | 測定の目的 | 血液分析 | 成分の分析
生物学的材料の調査、分析 | 前処理の目的 | 試料調製
生物学的材料の調査、分析 | 前処理 | 溶解 | 溶解剤
生物学的材料の調査、分析 | 前処理 | 成分の分離、濃縮 | 濾過
生物学的材料の調査、分析 | 前処理 | 界面活性剤を用いるもの
生物学的材料の調査、分析 | 対象試料(血液) | 血球 | 白血球
生物学的材料の調査、分析 | 対象試料(血液) | 全血
生物学的材料の調査、分析 | 対象成分(有機物) | RNA
生物学的材料の調査、分析 | 測定の操作、検知手段(化学的、生物的) | ハイブリダイゼーション
突然変異又は遺伝子工学 | 利用分野 | 遺伝子工学基礎技術、その他
突然変異又は遺伝子工学 | ヌクレオチド断片の種類 | RNA
突然変異又は遺伝子工学 | 細胞(微生物)を取り扱う技術 | その他
突然変異又は遺伝子工学 | 遺伝子工学関連技術 | 分析、診断方法及び装置 | DNAプローブを用いるもの
酵素、微生物を含む測定、試験 | 測定,試験の目的 | 定量,存否確認
酵素、微生物を含む測定、試験 | 検体,検出物 | 生物体,生物体材料(例;組織) | 高等動物
酵素、微生物を含む測定、試験 | 検体,検出物 | 生物体,生物体材料(例;組織) | 高等動物 | 体液,分泌液,排泄液(物)
酵素、微生物を含む測定、試験 | 検体,検出物 | 核酸(←オリゴマー(3以上)) | RNA
酵素、微生物を含む測定、試験 | 試薬 | 試薬としての核酸(←オリゴマー(3以上)) | DNA
酵素、微生物を含む測定、試験 | 試薬 | 試薬としての核酸(←オリゴマー(3以上)) | RNA
酵素、微生物を含む測定、試験 | 試薬 | 作用表現の試薬(酵素等既出分は除く) | プライマー
酵素、微生物を含む測定、試験 | 試薬 | 状態,形態が特に規定された試薬 | 固体化,固定化されたもの
酵素、微生物を含む測定、試験 | 処理,操作 | 測定,試験における各種前処理,中間処理 | 成分等の分離(←単離,捕捉),分画
酵素、微生物を含む測定、試験 | 処理,操作 | 測定,試験における各種前処理,中間処理 | 成分等の分離(←単離,捕捉),分画 | 抽出,透析
酵素、微生物を含む測定、試験 | 処理,操作 | 測定,試験における各種前処理,中間処理 | 検出物,試薬等の増量,増幅(←増殖) | PCR法



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